目次

1. 移動平均線とは（Moving Average / MA）

移動平均線（英語：Moving Average、略称：MA）は、一定期間の終値の平均値を連続的に結んだラインです。価格のノイズを平滑化し、トレンドの方向や勢いを視覚的に捉えやすくします。短期MAは価格に敏感、長期MAは大局を示し、複数本のMAを重ねることで「環境認識」と「エントリー/エグジット判断」の精度が上がります。

2. 移動平均線 種類：SMA・EMA・SMMAの違い

結論として、短期＝EMA、中期＝SMA、長期＝SMMAのように役割分担させると設計がシンプルです。

20EMAは世界中のトレーダーが使ってるMAです

3. 移動平均線 設定：期間と時間軸の選び方

期間は「意思決定の速度」に直結します。以下はFXの現場で使われる代表例。

• 短期：5・8・10・12・20（EMA推奨）…タイミング取り（押し目/戻り目・スキャ）
• 中期：21・50（SMA）…トレンドの基調、移動平均線ゴールデンクロス/デッドクロスの軸
• 長期：100・200（SMA/SMMA）…大局・機関投資家が意識、サポレジとして機能

時間軸の組み合わせ例：

• スキャ〜デイ：5EMA / 20EMA / 50SMA（足：1分〜15分）
• デイトレ〜スイング：20EMA / 50SMA / 200SMA（足：15分〜4時間）
• スイング〜中長期：50SMA / 100SMA / 200SMMA（足：4時間〜日足）

4. ゴールデンクロス/デッドクロスの実戦的理解

ゴールデンクロスは短期MAが長期MAを下から上に抜ける現象。上昇トレンド転換や押し目からの再開を示唆します。逆にデッドクロスは短期が長期を上から下へ抜ける現象で、下落基調を示唆。

ただし交差＝即エントリーは危険。①価格が長期MAの上か下か、②MA群のパーフェクトオーダー（並び順）、③直近高安のブレイク確認まで揃うと勝率が上がります。

• トレンド方向：短期MAと長期MAが同方向に傾斜
• プルバック：価格が短期〜中期MAで反発（押し目/戻り目）
• 直近の節目：サポレジ・高安の抜け／守り

5. 移動平均線乖離率で「行き過ぎ」を測る

移動平均線乖離率は「現在価格がMAから何％離れているか」を数値化したもの。トレンド中の行き過ぎ・行き足りなさを見極めるのに有効です。

• 上昇トレンドで正の乖離が拡大 → 高値追いは危険、押し目待ち
• 下降トレンドで負の乖離が拡大 → 追撃ショートは危険、戻り待ち
• レンジで乖離が小さい → ブレイク待ち or レンジ逆張り

経験則としては、自分の銘柄・時間軸で「反転しやすい乖離％」を記録しておくと意思決定が速くなります。

6. XMで使えるMAテンプレ戦略（5つ）

戦略1：20EMA押し目買い（順張り）

1. 15分 or 1時間足で20EMAが上向き、50SMAも上向き。
2. 価格が20EMAにタッチ〜軽く割れた押し目で反発。
3. 直近高値ブレイクで成行買い。損切りは押し目の下。
4. 利確は直近高値の2～3倍のリスクリワード or トレーリング。

戦略2：5EMA×20EMAのクロス＋ブレイク

1. ロンドン序盤（16–18時JST）で5EMAが20EMAを上抜け。
2. 直近高値を上抜けでエントリー。
3. 損切りは直近押し安値の下。勢いが弱まったら部分利確を入れる。

戦略3：200SMA反発の「大局」順張り

1. 4時間〜日足で200SMA上に価格、50SMAが200SMA上。
2. 1時間足で200SMAまで押して反発確認。
3. 反発足の高値越えで買い、損切りは200SMA少し下。

戦略4：乖離率リバ狙い（逆張りの訓練用）

1. 15分足で20EMAからの乖離が自分の統計上の閾値を超過。
2. プライスアクションで反転シグナル（ピンバー等）を確認。
3. 乖離縮小を取りに短期で利確。逆張りは必ず小ロット・早めの撤退。

パートナーコード：DMK2G

戦略5：SMMAでノイズ除去＋EMAでタイミング

1. 4時間足の100SMMAが上向き＝上昇環境。
2. 15分〜1時間足で20EMA押し目を待ち、反発で入る。
3. 大局はSMMA、タイミングはEMAという役割分担が肝。

7. MT4/MT5/TradingViewでの表示・設定手順

MT4/MT5（XM）

1. チャート上で右クリック →「挿入」→「インディケータ」→「トレンド」→「Moving Average」。
2. 「期間」に数値（例：20）、移動平均の種別でSimple/Exponential/Smoothedを選択。
3. 「適用価格」は一般的にClose（終値）でOK。
4. 色・太さを調整し、5EMA/20EMA/50SMA/200SMAなど複数本を追加。

TradingView

1. 上部メニュー「インジケーター」→ 検索欄に「Moving Average」「Exponential Moving Average」など。
2. 追加後、右側の設定アイコンで期間・ソース（close）・スタイルを調整。
3. お気に入りに登録してテンプレ化。

英語表記の確認：移動平均線 英語 = Moving Average（MA）/ Exponential Moving Average（EMA）/ Simple Moving Average（SMA）/ Smoothed Moving Average（SMMA）

👉TradingView無料登録はこちら

8. ありがちな失敗と回避策（リスク管理）

• 失敗1：クロスだけでエントリー → 回避：トレンド方向と傾き、直近高安のブレイクを同時に確認。
• 失敗2：レンジで順張り連敗 → 回避：MAが横ばい・収束の時は建玉を小さく、ブレイクまで待つ。
• 失敗3：乖離拡大を追いかける → 回避：乖離は戻りやすい。押し戻りを待つか、分割エントリー。
• 失敗4：時間軸の不一致 → 回避：上位足で環境認識→下位足でタイミングのマルチタイムフレームを徹底。
• 失敗5：損切りが曖昧 → 回避：MAの少し外側や直近スイング高安に機械的に置く。1回の損失は口座の1〜2％目安。

9. よくある質問（FAQ）

Q1. 初心者はどの移動平均線設定から始めればいい？

まずは20EMA・50SMA・200SMAの3本。方向感（200）→基調（50）→タイミング（20）という分担で迷いが減ります。

Q2. ゴールデンクロスは必ずエントリー？

いいえ。傾き（トレンド）と直近高値/安値の更新が伴うか確認してから。クロス単体はダマシが多いです。

Q3. 乖離率は何％が目安？

通貨ペア・時間軸で異なるため、自分の統計が最重要。まずはトレードノートに乖離と反転の関係を記録しましょう。

Q4. 移動平均線 英語は？

Moving Average（MA）、種類はSMA / EMA / SMMAと表記します。

Q5. MAだけで勝てる？

MAは軸として優秀ですが、価格行動（プライスアクション）やサポレジ、時間帯と組み合わせると精度が大幅に上がります。

10. まとめ：今日から「MA×時間軸×時間帯」で一貫したトレードへ

• 移動平均線とは：価格を平滑化してトレンドを可視化する線（英語：Moving Average）。
• 種類：SMA / EMA / SMMAを役割分担。短期＝EMA、中期＝SMA、長期＝SMMA。
• 設定：20EMA・50SMA・200SMAから。時間帯（東京/ロンドン）も考慮。
• ゴールデンクロス：傾きと高安更新の同時確認でダマシ回避。
• 乖離率：行き過ぎを数値で把握。統計で自分の閾値を作る。
• リスク管理：損切り固定・分割・上位足優先。